パジャマ人間

日常の思考や嗜好やなにかの感想など

小説(本)

シドニィ・シェルダン『顔』上巻・下巻(超訳 天馬龍行)

精神分析医のジャド・スティーブンスの患者である、ジョン・ハンソンが殺された。さらに、ジャドのクリニックの受付をしていたキャロル・ロバーツが酷い拷問をされた後に殺された。事件の捜査にあたったマックグレビー警部補は、過去、相棒を殺した犯人の精…

赤川次郎『ホームタウンの事件簿』

ねえ、知ってる? “情報通”の笠井京子は帰宅したばかりの夫に話しかける。お隣に越してきた人たち、ちょっと変なのよ。 悪意のない噂が噂を呼び、ご近所をかけめぐる――。集合住宅の隣人同士をめぐる、ささやかでちょっと怖い事件を描いた傑作短編集。 「私語…

赤川次郎『群青色のカンバス』

杉原爽香、十六歳の夏。 高校生になった爽香は、ブラスバンド部の合宿で、高原に来ていた。親友の今日子やBFの明男も一緒で、楽しい夏休みになるはずだったが、好奇心少女のまわりには危険がいっぱい。謎の女性が宿舎で自殺を図り、放浪の画家が殺され、爽香…

赤川次郎『若草色のポシェット』

杉原爽香、十五歳の秋――それは、親友の死ではじまった。 「学校で会いたいな」土曜の深夜、爽香が受けた電話は、行方不明中の親友・松井久代からだった。学校へ急行した爽香は、教室で久代の死体を発見する。首に、紐が食い込んだような跡が残る死体の近くに…

さくら剛『俺は絶対探偵に向いてない』

25歳の伊藤たけしは、働いていた海苔工場を辞めて以降、一年間働かず、就職活動もせず、優しい父親と多忙で家にあまりいない母親に甘えずるずると快適なニート生活を続けていた。しかし、しびれを切らした父親がたけしとは正反対な性格の兄を実家に呼び寄せ…

東野圭吾『希望の糸』

加賀恭一郎シリーズ。今回、メインで捜査にあたるのは、加賀の従弟で加賀と同じく捜査一課の刑事である松宮脩平。 とある夫婦の子ども(姉と弟)が、震災により亡くなり、悲嘆に暮れた夫婦が新たな子どもを望むところから物語は始まる。 それから十何年後。…

アストリッド・リンドグレーン『やかまし村の子どもたち』(石井登志子訳)

『やかまし村の子どもたち』は、やかまし村という自然豊かな田舎で暮らす子どもたちの、楽しい日常を描いた児童向けの小説である。 小学生のときに、好きで読んでいた。図書館に新装版が入っていたので、懐かしくなって借りてみた。 今回読んだのは、イング…

工藤直子『ともだちは海のにおい』

以前、『ともだちは緑のにおい』の感想を書いた。 pajama.hateblo.jp こちらの『ともだちは海のにおい』は『ともだちは緑のにおい』より先に出版されていた姉妹本である。小学生の私は、『ともだちは緑のにおい』から先に読んでいたので、大人になった私もそ…

工藤直子『ともだちは緑のにおい』

女の子が複数人登場し、ただただキャッキャウフフしている日常系アニメが好きである。 「空気系」ともいうらしい。先程ググっていて知った(空気系 - Wikipedia)。 最近でこそあまり観ていないが、以前はそういうアニメばかり観ていた。「お姉ちゃんは萌え…

大山淳子『あずかりやさん 彼女の青い鳥』

シリーズ三作目。 盲目の青年が営む「あずかりや」。一日100円でなんでもあずかってくれる不思議なお店に訪れる、人や物の物語。 『あずかりやさん』シリーズは、しゃべらない「物」や、あずかりやを訪れる人が語り手になることが多い。 「ねこふんじゃった…

桐野夏生『東京島』

アナタハン島事件をもとに書かれた小説。 世界一周クルーズの最中に嵐に巻き込まれ、無人島に流れ着いた清子と夫の隆。その後、きついアルバイトから逃げてきた日本人の若者たちや謎の中国人たちが次々と無人島にやってくる。清子以外は全員男性だ。彼らは、…

櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 秋の猫は緋の色』

続けて読んでいる大好きなシリーズ。もう15冊目なのか。 大学祭前。キャンパス内は浮かれた空気だが、オカルト研究会には相変わらず恐怖の依頼が。「彼女の体の痣が、人面瘡になってしゃべり出した」――ほか、頻発する放火現場に現れる猫と、「猫の幽霊が出る…

今村夏子『むらさきのスカートの女』

近所をうろついているむらさきのスカートの女。彼女は子どもたちから罰ゲームの対象とされることもしばしばあるような、街によくいるちょっと変わった人であるように描かれる。そんなむらさきのスカートの女と友だちになりたいあまりに、むらさきのスカート…

天野節子『午後二時の証言者たち』

午後二時ごろ、八歳の少女が乗用車に轢かれ、救急車で病院に搬送されるが死亡する。その後、少女の受け入れを拒否した病院の外科医や少女を轢いたスーパーマーケットの社長の馬鹿息子が相次いで殺される。 犯人は誰なのか、動機はなんなのか、という部分は隠…

伊坂幸太郎『クジラアタマの王様』

お菓子メーカーに勤める岸は、製品へのクレームの電話がきっかけで都議会議員の池野内征爾と知り合うことになる。池野内は岸に、ハシビロコウの出てくる不思議な夢の話をする。その夢の世界には岸ともうひとり、アイドルの小沢ヒジリが存在しており、池野内…

山田彩人『皆殺しの家』

小倉亜季は警視庁の刑事である。亜季は、交通事故で亡くなった兄から、兄の親友である久能光爾の世話を頼まれる。久能は、三人(両親と妹)を殺した容疑で警察から追われている指名手配犯でもあった。兄は指名手配されている親友を家に匿っていたのだった。…

友井羊『映画化決定』

ある日、ナオトが教室に入ると、木﨑ハルがノートを開いていた。そのノートは間違いなくナオトのものであった。どうやら教室から急いで出た際に落としてしまったらしい。そのノートにはナオトの自作の漫画が描かれているのだ。ハルが満面の笑みを浮かべて言…

瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

主人公は優子という名の女の子。優子は最初、水戸優子だった。幼いころに母親を亡くし、祖父母に預けられながら父親に愛されて暮らしていた。優子が小学生のとき、父親は梨花さんという女性と再婚する。梨花さんも優子のことを大切にしてくれかわいがってく…

大好きだったのに手放してしまった懐かしい90年代少女小説を全くのうろ覚えで軽率に紹介してみる

思い付いた順に。 あらすじなどは本当にすべてうろ覚えなので、話半分に読んでいただきたい。 覚えている限り、躊躇も注意書きもなくネタバレあり。 ちなみに私の小中学生時代の読書遍歴は、 絵本 → 江戸川乱歩・各種児童書 → 赤川次郎 → ティーンズハート …

大崎梢『ドアを開けたら』

失業中の鶴川佑作(53)は、同じマンションで同じ階に住んでいる串本さんという高齢の男性と親しくしていた。ある日、串本さんの部屋を訪ねた佑作は、返事がなく鍵が開いていることを不安に思い、部屋に上がらせてもらったところ、リビングで串本さんが亡く…

北村薫『中野のお父さんは謎を解くか』

『中野のお父さん』の続編。 『小説文宝』編集部、編集者の田川美希は、解けない謎があると中野の実家に帰ってお父さんに話を聞いてもらう。八つの連作短編集。 自動車関係の雑誌の投書欄の当て逃げ犯の謎を解く「縦か横か」。 松本清張の『再春』とある評論…

横関大『ルパンの娘』

泥棒一家の娘である三雲華は、公務員の桜庭和馬と交際している。ある日、急に和馬の家に連れていかれ家族に紹介された華は、桜庭家が公務員は公務員でも、警察一家だと知ってしまった。このまま和馬との交際を続けるべきかどうか悩む華。そんなとき、立嶋雅…

伊坂幸太郎『シーソーモンスター』

「海族」と「山族」の対立が、原始から未来への壮大な絵織物になる―― 海族と山族の対立を前提に、同じ世界線上の異なる物語をそれぞれの作家さんが描く「螺旋プロジェクト」の一冊。『シーソーモンスター』と『スピンモンスター』の二編が収録されている。 …

柏葉幸子『霧のむこうのふしぎな町 地下室からのふしぎな旅 天井うらのふしぎな友だち』

柏葉幸子先生の初期の三作品を一冊にまとめた愛蔵版。 この三冊は講談社の青い鳥文庫で持っているのだが、図書館の新刊コーナーで見かけて思わず借りてしまった。もう何度読んだかわからないくらい読んでいる大好きすぎる三冊である。 『霧のむこうのふしぎ…

伊坂幸太郎『夜の国のクーパー』

役所勤めでネットでの株の売買を趣味としている「私」は、仙台の港から小舟で釣りに出かけた。妻の不貞が発覚し、家の居心地が悪くなってしまったからだ。しかし、気がつくと「私」は見覚えのない草叢に仰向けに横たわっており、腕は植物の蔓のようなもので…

辻堂ゆめ『悪女の品格』

両親から愛情の代わりに金銭を与えられて育った光岡めぐみは、湯水のように遣っていたその金銭のことが原因で両親と絶縁状態である。生命保険の営業として働きながら、小学校の同級生だった裕福な男たち三人と同時に交際し、それぞれに貢がせた高価なプレゼ…

似鳥鶏『彼女の色に届くまで』

画廊の息子で絵を描くのが得意な緑川礼は、絵に関しては自分のことを特別な人間だと思っていた。しかし、高校で千坂桜と出会い、圧倒的な才能を目にした緑川に人生最大の転換点が訪れる。 僕はなんとか千坂桜に絵を描かせ、本格的に画家を目指してもらわなけ…

中山市朗『怪談狩り 赤い顔 市朗百物語』

さくっと読める実話系の怪談百話。 それぞれが強く記憶に残る話というわけではないが、それぞれ楽しく読める。幽霊系、妖怪系、怪現象系など多様な伝聞や体験談が百話も読めるなんて。こういうの、すごく好き。 第五十話の「わらし」が特に好きだ。 山の麓に…

寺地はるな『ミナトホテルの裏庭には』

芯の祖父の中学の同級生、陽子さんの一周忌がもうすぐだということで、芯はミナトホテルの湊篤彦のもとを訪れた。陽子さんは生前ミナトホテルのオーナーであった。湊は陽子さんの息子でミナトホテルの現オーナーである。 芯の祖父は、陽子さんを含めて友人た…

友桐夏『星を撃ち落とす』

女子高生たちの机上の空論的ミステリ。 ストーカーに悩まされていた津上有騎に声をかけてきた水瀬鮎子。鮎子と行動を共にする気弱そうな長岡茉歩。鮎子は茉歩と共に有騎のストーカーを撃退してくれた。そのことをきっかけに有騎と鮎子の仲は急激に近づく。そ…