パジャマ人間

日常の思考や嗜好やなにかの感想など

映画『居眠り磐音』(監督:本木克英)

磐音、琴平、慎之輔は仲良し幼なじみ。三人は江戸の道場での修行を終え、故郷に帰ることとなる。磐音は琴平の妹、奈緒と結納を済ませており明日祝言を挙げる予定だ。慎之輔は琴平の妹、舞と祝言を挙げ夫婦となっている。故郷に帰った三人だが、妻の舞が留守の間に不貞を働いていたという噂を真に受けた慎之輔は舞を手打ちにしてしまう。琴平は妹を殺されたことで慎之輔を切り、噂の根源となった男の家を襲撃し、その男を含め大勢を切り殺した。この件の真実を知った磐音は、琴平に真実を伝えるために現場へ向かう。最後に尋常の勝負がしたいと言う琴平の願いを受け、結果、磐音は琴平を切ってしまう。奈緒の兄を切ってしまった負い目から許嫁である奈緒に何も言わずに脱藩し、奈緒の元を去った磐音は、鰻屋で働きながら江戸の長屋で暮らしていた。そんな折、鰻屋の仕事も紹介してくれた大家から新たに今津屋という両替屋の用心棒としての働き口を紹介される。

 

タイトルから、酒に酔いながら戦う酔拳のように、居眠りしながら剣を振るうのかと思っていたが、

まったく、磐音の構えは、春先の縁側で日向ぼっこをしている年寄りの猫のようじゃ。

眠っているのか起きているのか、まるで手応えがない。

と師範の佐々木玲圓が言うだけで、べつに居眠りをしながら戦うわけではない。冷静に考えたらそんなポップな設定のわけない。

磐音は刃先を下に向け、刀が地面とほぼ垂直になるように構え、目を伏せる。それが居眠りしているようなのかと思う。

現代ではまず口喧嘩というところを、間髪入れずに切ってしまうのは、そんな時代だったんだなあと思う他ない。つらい。

慎之輔が噂を真に受けあんな誤解さえしなければ起こらなかった事件だし、慎之輔は何を言われても妻の舞を信じるべきだったのに舞に事の真偽を問いただすことなく手打ちにしたのは極悪だと思う。というわけで、慎之輔好かん。

この事件は物語の発端であり、磐音が江戸の長屋で暮らし始めてからがメインという感じ。磐音が困っている今津屋を剣と頭脳で助ける物語が始まるのだ。

柔和で優しく聡明な磐音の人柄には好感が持てる。ぼんやりさんと思われ、見くびられていた磐音が実は強いので、スカッとうれしくなる。

元許嫁の奈緒や、大家の娘で今津屋で働くおこんとの関係も、今後(もしあるのなら)気になるところ。

あと、中村梅雀さん演じる、親切だがちゃっかりしている大家さんのキャラクターがとてもよかった。


映画『居眠り磐音』5月17日(金)公開(主題歌入り予告)