パジャマ人間

日常の思考や嗜好やなにかの感想など

映画『Diner ダイナー』(監督:蜷川実花)

幼い頃、一人だけ母親に置いて行かれ、誰も私を必要としていないと感じている大場加奈子。私の居場所はこの世界のどこにもない、誰のことも信じていないから誰も私を信じない。そう思っていた加奈子だが、ある日、行きたい場所ができた。そこへ行くには30万円ほど必要だと知った加奈子は、即金30万円の怪しいアルバイトに手を出し、その結果、殺される一歩手前の状況に陥ってしまう。自分を生かしておくメリットを問われた加奈子は「料理が得意です!」と叫ぶ。加奈子は会員制のダイナーのオーナーに買われ、ボンベロの元でウェイトレスとして働くことになる。しかし、そこは殺し屋専用のダイナー。客は全員が人殺し。従うか死ぬかの選択を迫られた加奈子は、一計を案じなんとか一時的に命の安全を確保した。

 

まさかのラブロマンスだった。

全体的に色彩が毒々しく、料理も、おいしそうというより毒々しい。ソースをかける音さえじゅるじゅるしていて毒々しい。でも、ボンベロの料理はめちゃくちゃおいしいみたい。

窪田正孝さんの演じるスキンが、影があってやさしくて、でもマザコンで狂っていてかっこいい。スキンが加奈子にキャンディをあげるシーンがあるのだが、そのキャンディ、本当に大丈夫?毒物とか入ってるんじゃないの?と疑ってしまった私は、誰のことも信じていない加奈子以上に誰のことも信じていなかった。結果、毒物は入っていなかった。疑ってごめんね、スキン。

本郷奏多さん演じるキッドは、大人の顔に子どもの身体がくっついているような演出がしてあるので、ものすごく不気味だった。不気味の谷的なぞわぞわ感を覚えた。

真矢ミキさん演じる無礼図は、美しくてかっこいい。そして強い。

そして、なにより藤原竜也さん演じる、元殺し屋で天才シェフのボンベロがめちゃくちゃかっこよくて美しくてかわいい。藤原竜也さんは真正面から撮るとちょっと顔のまるさが目立ってしまうのだが(個人の感想です)、いい感じに髪で顔が隠れていたり、斜め前からのよき角度から撮っている映像が多くて、最高に美しかった。これはもうボンベロを愛でる映画かもしれない。ボンベロが加奈子に言う、「おまえは扱いづらい」や「いらなくはない」に、いちいちキュンとしてしまった。

ボンベロの料理に感動した加奈子はボンベロに料理を習いながら、自分のやりたいことを見つける。殺し屋同士のいざこざアクションがありつつ、加奈子とボンベロの間にはいつのまにか愛が育まれていたらしい。愛というより、情に近いのではないかと感じたが(危機的状況で吊り橋効果もありそうだし)、今まで自分で選択することを避けながら生きてきた加奈子が、珍しく自分で選択した結果、ダイナーでボンベロと彼のつくる極上の料理と出会い、そのおかげで夢を抱き未来を手に入れることができた。つまり、ボンベロの料理が加奈子の人生を変えたのだ。そういう意味では、加奈子はボンベロを心底尊敬しており、その尊敬が愛を生んだのかもしれない。

ラストにもキュンとした。

しかし、ラブロマンスのつもりで観ていなかったので、ちょっとびっくりはした。

あと、言い忘れていたが、昆虫をむしゃむしゃする小栗旬(マテバ)を観られるのは『ダイナー』だけ!(予告でも観られるけど)

 


映画『Diner ダイナー』本予告【HD】2019年7月5日(金)公開

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