パジャマ人間

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池野恋『ときめきトゥナイト』全30巻

とっても平たく説明すると、人間界で暮らす魔界人たちの話。

 

1~16巻 ヒロイン蘭世編

人間界で暮らす魔界人、江藤蘭世(ランゼ)は吸血鬼と狼女のハーフ。だけど、いまはまだ普通の女の子。中学校に通って人間の男の子、真壁俊に恋をしている。

蘭世も魔界人であるので、能力に目覚める。キバを使ってかみつくと、かみついたものの姿に変身するという能力だ(姿を吸いとるタイプの吸血鬼の能力)。人や動物、ボールなどの無機物にも変身できる。クシャミをするともとに戻る。蘭世が対象に変身している間、その対象は眠ることになる。

江藤家の地下にはたくさんの不思議な扉があり、そのひとつが魔界に通じている。

という設定がありつつ、メインストーリーは蘭世と真壁くんの恋のゆくえである。

ふたりの恋を邪魔する障害もじゃんじゃん出てきて、魔界のいざこざや前世云々も絡みつつ、次から次へといろんな問題が発生する、ドタバタすぎるファンタジーブコメ

 

17~22巻 ヒロインなるみ編

蘭世の弟の鈴世(リンゼ)の恋人、なるみが主人公。

鈴世は魔界人なので、走ると狼に変身するという能力を持っている。なるみは人間だが、幼いころからそのことを知っている。

蘭世の結婚式に出席したなるみは、ブーケの花をもらって帰る。しかしその花は魔界の花だった。食べなければ人間に影響はなかったのだが、なるみはその花びらを紅茶に浮かべて飲んでしまう。すると、次の日には動物や物の声が聞こえるようになっていたのだ。

こちらも、メインストーリーはなるみと鈴世の恋のゆくえである。

次から次へといろんな問題が発生する、ドタバタすぎるファンタジーブコメ

 

23~30巻 ヒロイン愛良編

蘭世と俊の子ども、愛良が主人公。

愛良(アイラ)は不思議に輝く石を握って生まれてきた。そして、愛良が生まれた日の夜から次の日の朝にかけて、世界各地で奇跡が相次ぐ。ナスカ高原とイギリスでは「HAPPY BIRTHDAY」の文字の巨大なミステリーサークルが現れる。魔界では千年にいちどしか咲かないはずの予言花が咲き、「すべてのものに愛を与え世界を救うことになるであろう娘……同じ運命のもとに生まれたもう一人の者と出会うことができ心がひとつになった時 娘の力は最大限に発揮されるであろう」との予言を残し、枯れてしまう。

主人公の愛良の幼稚園児時代からスタートというちょっと異色な感じのドタバタファンタジー。恋愛要素もあるが、蘭世編やなるみ編と比べて薄め(とはいえ「恋」は重要なキーワードとして描かれている)。どちらかというと、愛良の兄の卓とその従姉のココの恋のほうが印象的。

 

もう何年も昔、一度は手放したのだが、増税前だからと理由をつけて全巻電子書籍で買い直した。

私が初めてりぼん本誌で読んだ『ときめきトゥナイト』は、なるみ編の、なるみと鈴世の友人の二葉と幸太がエイリアンと交流する番外編読み切りである(「銀河ロマンスの夜」単行本25巻収録)。絵がすごくきれいだと思ったのと、エイリアンのルララの血が青いというのが怖かった記憶がある。

そして、リアルタイムで新連載から完結まで追っていたのが、愛良編であった。なので、私にとって『ときめきトゥナイト』は愛良編のイメージがとても強かった。応募者全員大サービスで愛良ちゃんのペンケースを購入していたりしたし。

しかし、そういえばあの宇宙人の話も『ときめきトゥナイト』だった気がするなあ、と思い出し、さらに愛良編を読んでいても、知らない人たちがなんだか当然のように出てくるものだから、『ときめきトゥナイト』は愛良編が初めてではなく、もっとずっと前から続いているのだと気づいたのである。そして、単行本を1巻から集め始めた。

財力のない小学生なので、とても長い時間をかけてがんばって集めた。愛良の母親である蘭世が中学生であることに軽い違和感を覚えながらも読み進めていくと、すっかり感情移入して馴染んでしまい、今度は蘭世が母親であるということに違和感を覚えるようになってしまった。

大人になった現在、改めて読むと、蘭世の真っ直ぐな恋心をなんだか羨ましく思ってしまう。私はこんなに全力で誰かのことを想ったことがないなあ、と実感してしまった。

ところで、蘭世たちが魔界だ前世だと忙しくしている間にも、人間界では普通に時が流れているため、蘭世と真壁くんが一年遅れで高校に入学したのには驚いた。少女漫画のヒロインとヒーローもダブるんだ!という新鮮な驚きであった。

当時は、蘭世の恋敵の神谷曜子ちゃんのことをあまり好きではなかったのだが、いま読み返してみると、ちょっと意地悪なところもあるけれど、かわいくて一途で情にあつくて友だち思いのいい子じゃないか。神谷さん、好きだわ。

なるみ編では、 なるみと鈴世はすでに恋人同士というスタートではあるのだが、その約束が幼いころのものすぎて不安になるというあるあるもありつつ、魔界の存在が人間にばれてしまい、迫害された江藤家が一旦人間界を去らなければならなくなるという、ある意味最大のピンチなエピソードが入る。自分以外の人々が江藤家の面々の記憶を失くしてしまった人間界で鈴世が帰ってくるのを待つなるみがいじらしい。

当時は夢中で読んでいた愛良編だが、実はヒーローの記憶が開陸(カイリ)のものしかない。のちにもうひとりヒーローが登場するのだが、読んでいたはずの彼の記憶が全くなかった。もしかしたら、開陸と愛良がくっつかなかったことにがっかりしたため、記憶が消えてしまったのかもしれない。

そんな愛良編だが、改めて読んでみると、なんだか中途半端な部分もある。愛良が握って生まれてきた石は結局なんだったのか不明だし(いろいろ活躍はするが)、小学生のころに再び離ればなれになってしまった開陸とも結局それっきりだったのもやはり気になる。上記の「同じ運命のもとに生まれたもう一人の者」とは開陸のはずなのだが、開陸も愛良と同じ石のペンダントをしていて、彼は最後にそれを愛良に託して家族と共に外国へ行ってしまったのだ。なので、その時点でもう開陸との関係は途切れてしまったのかもしれない。

と思っていたら、ちょっと待って。Wikiに愛良と開陸は結婚したって書いてあった。なにそれ知らん。どこでどうなってそうなったのさ。ちょっと、その番外編を探すわ。

愛良編といえば、愛良の友人の双子、夢々ちゃんと風くんも好きだったなあ。いま読んでも好き。

 

ときめきトゥナイト』は全編通して、がんばるヒロインを応援したくなる大好きな漫画であることに変わりなかった。もう、めちゃくちゃおもしろくて、やっぱり夢中で読んでしまった。

再度手に入れたこれからは、きっと年一くらいで読み返すと思う。

余談だが、愛良が握っていた石をペンダントにしてもらってお守りとしていつも首から下げているのに憧れた。シンプルで余計な装飾のないペンダントで、なんかいいんだよー。

 

とりあえず、私の知らない番外編がたくさんあるみたいなので、片っ端から読むことにする。

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